発達が気になるお子さんを育てている保護者の方から、「うちの子に合う遊びが見つからない」「療育で家でもできることはないか」というご相談をいただくことがあります。そんなお悩みに、「感覚遊び」がひとつの答えになるかもしれません。
感覚遊びとは?
感覚遊びとは、触覚・視覚・聴覚・嗅覚・味覚など、五感を使った遊びのことです。砂遊び、水遊び、粘土遊び、スライム遊びなどがその代表例です。
感覚遊びには、脳の発達を促し、感覚統合を助ける効果があるとされています。特に発達が気になるお子さんにとって、感覚遊びは以下のような効果が期待できます。
- 感覚統合の促進:さまざまな感覚刺激を脳が整理し、処理する力を育てる
- 情緒の安定:繰り返しの動作や心地よい感触が、気持ちを落ち着かせる
- 自己表現の機会:言葉にできない気持ちを、遊びを通じて表現できる
- 集中力の向上:興味のある素材に触れることで、自然と集中できる
サンドアートが療育に効果的な理由
数ある感覚遊びの中でも、サンドアートは療育の現場で特に注目されています。その理由を3つの視点からご紹介します。
1. 触覚刺激が豊富
サンドアートで使うカラーサンドは、さらさらとした独特の感触があります。この触覚刺激は、脳に心地よい刺激を与え、感覚統合を促します。
触覚に過敏なお子さんでも、砂のさらさらとした感触は比較的受け入れやすいという声をいただきます。砂を指で触ったり、瓶に入れる動作を繰り返したりすることで、自然と触覚への慣れが生まれます。
2. 視覚刺激が楽しい
カラフルな砂が瓶の中で層になっていく様子は、視覚的にとても美しく、子どもの興味を引きつけます。
色の選択や組み合わせを考えることは、視覚認知の発達にもつながります。「次は何色にしよう」と考えることで、自然と集中力も高まります。
3. 達成感を得やすい
サンドアートには「失敗」がありません。どんな色を選んでも、どんな順番で入れても、世界にひとつだけの作品ができあがります。
完成した作品は目に見える形で残るため、「自分で作った」という達成感をいつでも確認できます。この成功体験の積み重ねが、自己肯定感を育てます。
発達支援施設での導入事例
nicolonでは、放課後等デイサービスや児童発達支援センターなど、発達支援施設への出張ワークショップを行っています。実際の導入事例をご紹介します。
放課後等デイサービスA様
普段は落ち着きがなく、座っていることが苦手なお子さんが多いとのことでしたが、サンドアートの時間は30分以上集中して取り組んでいたそうです。
「砂を入れる」という繰り返しの動作と、色が重なっていく視覚的な変化が、子どもたちを夢中にさせたようです。
児童発達支援センターB様
感覚過敏のあるお子さんもいらっしゃいましたが、最初は見ているだけでOKという形でスタート。徐々に興味を持ち、最終的には自分で砂を触ることができるようになったそうです。
「無理強いしない」「その子のペースを大切にする」という姿勢が、安心感につながったとのことでした。
専門家の声
療育に携わる専門家からも、サンドアートについてコメントをいただいています。
「感覚遊びは、発達支援において非常に重要な役割を果たします。特にサンドアートは、触覚・視覚の刺激がバランスよく得られ、かつ達成感を感じやすい活動です。失敗がないため、自己肯定感が低いお子さんにも取り組みやすいのが特徴です。」
——作業療法士
「発達に特性のあるお子さんは、『できた』という体験が少なくなりがちです。サンドアートは、誰でも必ず完成できるため、成功体験を積み重ねることができます。この積み重ねが、他の活動への意欲にもつながっていきます。」
——児童発達支援管理責任者
おうちでできる感覚遊び
サンドアート以外にも、おうちでできる感覚遊びはたくさんあります。お子さんの好みや発達段階に合わせて、試してみてください。
- 水遊び:水の冷たさ、流れる感覚を楽しむ
- 粘土遊び:こねる、ちぎる、丸めるなど、さまざまな触覚体験
- スライム遊び:独特のぷにぷに感が人気
- 小麦粉遊び:さらさら、べとべとなど、水の量で感触が変化
- 新聞紙遊び:ちぎる、丸める、投げるなど、音も楽しめる
大切なのは、お子さんが「楽しい」と感じられること。無理強いせず、興味を示したものから始めてみましょう。
よくある質問
Q. 感覚遊びは何歳から始められますか?
A. 感覚遊びは0歳から始められます。年齢に応じた素材や遊び方を選ぶことが大切です。サンドアートは3歳頃から楽しめますが、保護者のサポートがあれば2歳でも体験可能です。
Q. 砂を口に入れてしまう心配はありませんか?
A. nicolonで使用するカラーサンドは安全な素材を使用していますが、口に入れることは推奨していません。小さなお子さんの場合は、保護者の方が見守りながら体験していただくことをお勧めしています。
Q. 療育施設への出張ワークショップは可能ですか?
A. はい、可能です。放課後等デイサービスや児童発達支援センターなど、発達支援施設への出張ワークショップを行っています。お気軽にお問い合わせください。
Q. 感覚過敏のある子でも大丈夫ですか?
A. サンドアートの砂はさらさらとした触り心地で、感覚過敏のあるお子さんにも比較的受け入れられやすい素材です。ただし、無理強いはせず、お子さんのペースを大切にしています。まずは見ているだけでもOKです。
まとめ
発達が気になるお子さんにとって、感覚遊びは心と体の発達を促す大切な体験です。中でもサンドアートは、触覚・視覚の刺激が豊富で、達成感を得やすいため、療育の現場でも注目されています。
お子さんのペースを大切にしながら、「楽しい」と思える体験を一緒に見つけていきましょう。nicolonでは、発達支援施設への出張ワークショップや、おうちでできるオンラインレッスンもご用意しています。
お子さんのペースで体験を
おうちでゆっくり体験できるオンラインレッスンや、発達支援施設への出張ワークショップをご用意しています。お子さんのペースに合わせて進められます。
原野 玲未REMI HARANO
サンドアート講師 / Webエンジニア / 5児の母
福岡県在住。日本サンドアート協会認定講師として年間100件以上のワークショップを開催。5人の子育てをしながら、サンドアートの魅力を伝えています。